3年前の今日、大切な東北の友人から1通のメールが届きました。「今日はとびきりキレイな空だよ!」添えられた写真は、不思議な色合いの美しい夕空。暮れなずむ頃の深い青が美しいグラデーションを描き、濃いめのピンク色が白い雲に写り込んだ印象的な空でした。
そしてあの震災。衝撃と落胆と不安と絶望。いろいろなことが頭を巡り、仕事も手につかない―。多くの人がそうだったのではと思います。当時の私も同じように、自分の仕事に疑問を抱きました。この仕事は何か意味があるのか、役に立つのか、自分は食べていいのか、寝ていいのか、笑っていいのか、これで良いのか―。来る日も来る日も思いが巡り仕事が手につきませんでした。
しかし、ひと月程たったある日、一人のお客さまがこうつぶやきました。「キレイなモノを見るって幸せな気持ちになるね」その一言に、救われた気がしました。
大きなことはできないけれど、誰かの心がほぐれたらそれで良いのかもしれない。小さなことでも、愚直に続けて行こうと。たくさんの人を救うような影響力も財力もないけど、誰かに「楽しい」と思える時間をプレゼントすることはできるのでは・・。そんなことを思いました。「こころをつなぐ」メッセージが、たくさんの笑顔を通して届きますように。
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冒頭に書いたメールは、震災前日に送られてきました。まさかそれが地震雲だったなんて知る由もなく、ただ「キレイだね」と返信した。
そして3月11日。
あれから丁度3年。
あの出来事から36ヶ月。
千年に一度の大地震から1095日。
そして過ぎていった、様々な約26280時間。
不安な時間をどれだけの人が過ごしたのでしょう。
世界中の人達が、目の前に広がる信じられない光景に心を痛めたのでしょう。
同じ時代に生きる人間として、何が出来るか。
誰もが、多くの時間をその事の思いへ費やしたのだと思いたいです。
何が出来るか。
大切なのは、自分には何も出来ない。そう決めつけることなく、誰かの為に何かしたいという気持ちと思いを、ずっと先に生きる人々へ繋いで伝えていく事なのではないかな・・。と思います。
イラストは震災後に描いたもの。メールをくれた友人の事も心配だったし、沢山の人の人生を変える出来事に心が痛くて・・何も出来ないけれど何か残しておきたくて・・ただただ、夢中で描いたっけ。。
自分自身も、震災後に人生が大きく変わった。沢山の人の生きる力にパワーをもらい、変われる勇気を持てたと思います。
こころをつなぐメッセージが、沢山の笑顔を通して届きますように。
心を込めて。
祈りを込めて。
*先程いらしたお客さま。一緒に黙祷を捧げて下さってありがとうございました。
創作屋 宮崎ゲストハウス 井下 弘子
SOSAKUYA Miyazaki Guest House Hiro.