2013年12月18日水曜日

ダイヤモンドの一面

 残り半月を切った今年は「ヘビ年」。「ヘビ」というだけで、苦手意識が先に立ち、持ち物として常に使うのには抵抗がある方も多いのでは?
 皮革には、牛革をはじめ、馬・豚・羊・鹿革以外にも、「エキゾチックレザー」と呼ばれる種類があります。ワニ・トカゲ等がそれにあたります。独特な模様と肌触り、野性味あふれる素材には、全ての面に自然な曲線がちりばめられ、力強い印象があるもの。ヘビ革(パイソン)もその一つです。革表面にダイヤモンドのような文様があり、うろこが大きくそろっているモノほど上質とされます。素材に迫力がある分、デザインひとつで印象が大きく変わるのも、この素材の特徴と言えるかもしれません。
 日常生活に例えると、苦手だと思っていた人とじっくり話をしてみると、実はとても思慮深く優しく良い人だったとか、気が強く高慢だと思っていた人が、目の前で思いがけずに見せた純粋な涙など、自分が見ていた一面だけで判断するのではなく、時間をかけながらでも、実際に触れたり関わったりしてみなければ分からないことは多いと思います。人だけでなく、どんなモノに対しても「意外な一面」を見つけるだけで、心を引き寄せられるものではないでしょうか。
 パイソンは、エイジングの美しさと 自然な曲線の美を楽しみつつ、日々の発見を素材に刻むように、力強く堂々と持っていただきたいと思います。

パイソンにも色々あって、ナチュラルな染めのモノ、濃い色に染められたもの、染めた上から型押し加工を施したもの、一部分だけをポイントに使ったもの、等々。他の素材同様に、素材は生き物なので二つと同じものはありません。(同じデザインでも表皮の模様が全て違う)そして、使い手によって艶の出かたも様々。更に、一年後・二年後・・五年後、時間が経つ程にその人らしさが加わって、美しく変化してくれるのです。^^



余談ですが・・
ヘビ革は、他の素材よりも「灰汁が強い」です。
言い方を変えれば・・クラスに一人は居た「変わった子」。笑
人より少し違うだけ。この子の場合、「自己顕示欲が強い人」とは少し意味合いが違います。協調性はある(つもりだ)けど、交わる事が少し苦手、目立つつもりはないのに目立ってしまって・・。そもそも、やりたい事や思考の根本が他の子と違う。
だからこそ、良いデザインである事が重要で、手にする人は、どんどん使ってあげるべきだと思います。「関わりたくない」=「もったいない」なんて言わずに、毎日向き合ってあげる。持って使ってあげる。そうする事で、「変わった子」は輝けるんじゃないかな?
輝きを増す素材と同じくして、自分自身もキラキラと輝ける。
持ち物一つで変われるって・・なんだか素敵ですよね^^




使い始めに気になる「ウロコ」は、使ううちに馴染んで、美しい色艶を増してくれます。
乾燥すると、表面の反り返りが起こる場合もありますが、メンテナンス次第でそれも軽減する事が出来ます。