葉っぱに空っぽのグラスが、影を見ると一輪挿しに。
陽射しも和らぎ、夕刻の日陰が長く延びているのを見ると、
思い出すのは子供の頃にした影踏みです。
私は、影というのは
「一日中色んな姿に変化して楽しませてくれる一番身近なアート」
だと思っていて、自然の影絵と呼んでいます。
沈みゆくオレンジ色の太陽を背に、
青々した緑が切り絵のように切り取られる様は
自然の芸術作品だと思います。
お店で、バッグや小物をディスプレイする時にも、
商品を置く際に気にするのはライトを当てて出来る影の部分。
明るいライトと相対し、暗い影には存在感があると思うのです。
影を作るには、色鮮やかな花々、美しく装飾されたオブジェ等、
なにも特別なものである必要は無く、
どの家庭にでもあるような・・
机や椅子であったり、時計であったり、グラスであったり。
むしろ、そんな日常の物の方が、その物の魅力を再発見出来て楽しいものです。
わざわざライトを当てずとも、お天気の良い日、光が射す事を考えながら、
色んな場所に配置してみると、意外な形が見られます。
静かに影を気にすると・・時間の流れも緩やかに感じられます。
時には、有限な物体としての綺麗さよりも、
無限の美しさにロマンを感じながら
自分だけの小さなアート(影絵)で、深まる秋を味わうのも粋かもしれません。
◆
散歩でみつけた「アート」光が当たった部分だけが色付いてた。
幾つくらいからでしょうか・・
普段から・・誰にも見つからない様な部分をみつけては、
こっそり喜んでいました(笑)
実家の屋根に登り、ゴロンと横になって空を眺めると、
でっかい雲が、影を作って身体の上を横切っていく。
ここに居ると言う事は、光と影が全部証明してくれているんだ。。
「人間なんてスッゲーちっぽけだな〜」
な〜んて、中学の頃思ってた。
影絵の第一人者、藤城清治さんの世界観も大好き。
影は、存在そのもの。人間は装飾するものではなく、
回りに描かれてる世界こそが美しく彩られるべきものなんだ。
彼の作品を見てそう思った。
子供の頃観た切り絵の人形劇・・目の前に映ってるモノクロームの世界に、
自然と着色しながら映像として楽しんでいた自分がいたりして。
部屋に居て、外を眺めるだけでも、
近所を散策するだけでも「アート」は、たくさん転がっている。
そんな風に考えるだけで、
「芸術の秋」を、もっと楽しめると思います^^