「クラシックが聞こえてくる様なエレガントな店にしたい」
まだ私がこの仕事に就いて間もない頃、創業者の父が言った言葉です。
お店で流すBGMの事ではなく、全体の雰囲気の事なんだろうな・・
当時は、漠然としか理解できずにいました。
エレガントなバッグと言うと、
黒いバッグを思い浮かべる方も多いと思いますが、黒いバッグも様々です。
美しく、洗練された深みのある黒色で、上質の素材で細部まで作り込まれている。
そして、シンプル且つ迫力のあるデザイン。
そんなバッグは、どんなにシンプルでも、どこかしら見る人を引きつけるパワーがあり、
持つことで、「強さ」「優しさ」「美しさ」だけでなく、「生き方そのもののスタイル」を感じることが出来ます。
時代を超えて愛され続けるクラシック音楽のように、良いモノの価値は、持ち手のスタイルと同じくして、内に秘めた輝きを静かに表現する事が出来るのだと思います。
アンティーク好きな父が言った冒頭の一言を思い返すと、きっと・・
「時代を超えて愛され続ける上質なバッグ達を持ってもらいたい」という事。だったのかもしれません。
普段使いのカジュアルバッグは、色やデザインを楽しんで持ち、
フォーマルシーンで活躍する上質なバッグは、年を重ねながら、じっくり「エレガンス」に持ちこなしたいですね。
◆
私がデザインする時・・そのモノに真っ正面から向かい、内面も側面も、
あらゆる角度から眺め、見詰め、瞑想し、思いを巡らせます。
バッグのデザイナーさん達もきっと・・1つのモノを創るのに、
まだ見ぬ持ち手の方々を想像しながら・・様々な角度から見詰め、形にしているはず。
モノ創りの原点は、「喜び」だと思います。
生み出されたモノが、良いものであれば、人を幸せな気持ちにしてくれる(はず)
年齢性別に関係なく、そのものに対し、一瞬でも心地良く感じてもらえれば嬉しい。
存在する事自体が喜ばれるものでなければいけないと思うのです。
時間の流れをゆったりと味わいつつ・・
その喜びを、持ち手と共有出来る事こそが、私には何よりの喜び。^^
創作屋 宮崎ゲストハウス (SOSAKUYA Miyazaki Guest House Hiro.)